2015 05/18

と、いうわけで原型製作メイキング最終回です。

最終回といっても途中画像がもうないので前回で終わりな気もしますが。。写真を撮る理由は第一に自分が作っている物を客観的に見るためなので細部を作り出すとちょっと離れて見てみたり、全身を組み立ててみたりして確認できてしまうので写真を撮らなくなるという仕組みです(言い訳

どーんと二ヶ月間をブッ飛ばしての最終回ですが、前回の画像から完成画像までの間に何をやっているかというとただただ頑張ってるだけなので、前回までの記事でだいたいこんな感じでやってるんだなとわかっていただけるかなと思います。

 

シレーヌを作っている時はとても楽しかったです。もちろん辛いことは色々出てくるわけですが、今までの経験を生かしてできることとできないことを意識しながら、新しい技にも挑戦し、かっこよくできてるぜぇぇと思いながら作業してました。
自分でも良い物ができたなと思えてます。こんな感覚は実は久しぶりです。

シレーヌを作ると決める前までは、造形に関して長い期間とても辛い日々が続いていました。何年も上手い造形師さんの作品をいっぱい見てきて、勉強して人の意見を聞いて、徐々に自分の駄目な所が見えてきて、いつまでも上手くならない自分に嫌気が差していました。

以前は手を動かすだけで楽しかったです。「これでお金がもらえるなんてとても幸せなことだ」と思いながら仕事をしてました。自分の作った原型が商品になってお店に並ぶのがすごくうれしかったです。

仕事を続けていると当然失敗が増えてきてできない事を実感していきます。そういう時にいつも誰かが助けてくれるわけではありません。ただただ打ちのめされるだけの出来事が増えていきました。
自分の作った物を誰かに見てもらい反省して前に進んでいるつもりが、自己否定するのが癖になっていき、他の人が褒められているのを目の当たりにすると自分はそんなにダメなのかと誰も自分のことが見えてないんじゃないのかとさえ思えてきます。
自分はそんなに大したものではないと気づき、納得して、じゃぁどうすればいいか考えればいいだけだと前向きに考えても、誰かの何気ない言葉に「お前は大したものではない」と遠回しに言われている気がして、わかってるよと思いながらも消えてしまいたくなります。
段々と、誰かに褒めてもらっても疑い、聞く耳を持てなくなり、否定されるとほらやっぱりダメなんだと納得しつつも情けなくなり、憎しみが湧き出したりもしました。

フィギュアの原型を作るのにはすごく時間がかかります。その間に何度もくじけそうになって自分の駄目な部分を見つめ過ぎてしまうのかもしれません。

シレーヌを作らせてもらって、そういうモヤモヤ(なんて生易しいモノじゃないけど)は結構解消されました。なぜかはあまりわかりませんけど。実際これがすごい作品かはわからないけれど、自分で楽しんで作って上手くできたなと本心からそう思えてるからかな。

これからも辛い出来事はあると思いますが、自分が上手く表現できると信じられる題材、好きな絵師さん、好きなキャラクターを作る仕事をもらえるように頑張る!イベントに出てしがらみのない本当に好きなものを作る!とかとか、手を動かす為の心の拠り所を見つけていけばこれからも作り続けていけると思います。

今回の寺田克也版妖鳥シレーヌはそんな気持ちになるきっかけをくれた作品になりました。

もし同じように造形する事に辛いと感じている人がいたら、いつか出会えるこういう作品のために自分のできる範囲で作り続けてほしいと思います。こんな僕にもできたんですから。

DSCN7854 DSCN8023

GALLERRY原型画像

 

原型製作メイキング おわり

2015年 10月19日 塚田貴士