寺田克也版 妖鳥シレーヌ (塗装済み完成品)

ついに!!寺田克也版 妖鳥シレーヌ 塗装済み完成品として発売決定!

  • 商品ジャンル:塗装済みレジン完成品
  • 原型師:塚田貴士
  • 全高:43cm
  • 材質:レジン(無発泡ポリウレタン)/ABS
  • 価格:75,000円 (税込)
  • 発売日2018年12月 2019年1月末
  • 予約受付期間:5月25日~7月15日まで
  • ※画像は開発中のものです。実際の製品とは異なる場合があります。
  • ※生産状況や天候により発売が延期となる場合があります。
  • ©永井豪/ダイナミック企画

WF2015夏 GILLGILLブースにおいて原型が展示され、早3年。
造形集団GILLGILLにとっても大切な足跡のひとつ『寺田克也版 妖鳥シレーヌ』。
この作品をガレージキットではなく、また単純な発想による大量生産品でもなく、最良の形で皆様のお手元に届けるためにG3というプロジェクトが立ち上げられたと言っても過言ではありません。

本作品の魅力を最大限に引き出すことのできる材質を検討しつづけた結果、細部の表現力に優れたレジンキャストに行き当たりました。

"GIFT FROM SCULPTORS"

我々G3のテーマです。
できるだけ生でお届けできるよう努力を続けております。
是非、原型師から生み出される熱い魂をその手で受け取っていただければ幸いです。

発売延期のお知らせ

大変お待たせしており、申し訳ございません。
12月発売を予定しておりましたが、生産開発の調整により急遽発売を延期させ頂くことになりました。

2019年 1月末順次出荷

と改めさせていただきます。
ご予約いただき、楽しみにお待ち頂いているお客様にはご迷惑をおかけいたします事、深くお詫び申し上げます。
より良い製品となるよう現在全力で進めておりますので、なにとぞご理解のほどよろしくお願いいたします。

ガレージキットの原点「デビルマン」と絵師 寺田克也

永井豪氏のイマジネーションから始まり多くのフォロワーを生み出した作品「デビルマン」は漫画、イラストを含め数々の作品が発表され続けてきました。
ガレージキットやフィギュアの世界においては創成の頃から現在に至るまで作り続けられているモチーフであり、まさに業界のアイコンとも言うべき存在です。
GILLGILLもまた「デビルマン」とそこから生まれた造形作品に憧れと尊敬の念を抱き活動を続けています。
代表である吉川は、造形に関わっていく以上「デビルマン」は避けて通れない道であり、同時に安易に扱ってはいけない大きな課題であると受けてとめてきました。

当代きっての絵師である寺田克也氏も「デビルマン」を好んだ一人です。
中でも「寺田克也版 妖鳥シレーヌ」は妖艶さと不気味さを兼ね備えた秀逸なデザインに寺田氏のイマジネーションが込められ他に類を見ない迫力のシレーヌとなっています。
「寺田克也ココ10年展」というイベントにおいて襖サイズにまで引き伸ばされた同作品を拝見した際の衝撃は大きく、何としても寺田克也氏のシレーヌを立体化したいと思いました。

造形家 塚田貴士

GILLGILLのスタッフには塚田貴士という造形家が居ます。
造形集団GILLGILLとしての活動はフィギュアメーカーなどからの依頼が主で、スタッフはその仕事を受けます。ワンダーフェスティバルなどイベントにおけるガレージキット企画については、GILLGILL内部での話し合いの上で造形家自らの希望で制作されます。
代表の吉川が自ら、GILLGILLとして、GILLGILLスタッフに正式に原型を依頼する…。内輪話でしかありませんが、実は異例のことでした。

イラストに詰め込まれた情報量を読み取る感性とそれを表現できる造形力を併せ持ち、何よりも寺田克也氏の作品に只ならぬ思いを抱き続ける造形家 塚田貴士。
寺田克也氏のシレーヌを立体化したいと思った瞬間と、塚田貴士に依頼することを思い立った瞬間は同時だったかもしれません。

塚田貴士には以前も寺田克也作品「カバーガール」の原型を製作して頂き実力は理解しているつもりでしたが、結果的に出来上がった作品は大きく期待を上回る仕上がりとなりました。

特設記事 造形家 塚田貴士による制作録

塚田貴士による 制作日誌1【2014年12月上旬】

自分は何を作ればみんなに喜んでもらえるか、上手く作れるものは何かと悩んでいるトコロにGILLGILL代表の吉川さんから「寺田克也さんのこのシレーヌを作ろう」と言ってもらいました。
僕が高校生の頃からファンであるイラストレーターの寺田克也さんの絵で、僕が作ったら良いものになりそうな題材で、GILLGILLからの発注という形で仕事にしてもらうという僕が心置きなく作業が出来る環境を整えてもらって、しっかり自分に向き合って製作に取り組み始めました。

原型を客観的に観る方法として、写真を撮ってパソコンの画面で全体の構成や顔の見え方を確認するために特に製作初期は毎日のように写真を撮ります。
その画像を載せていますのであんまり綺麗な画像ではありませんがご了承ください。画像1は特に恥ずかしいんですが…恥を偲んで載せていきます。こんなにヘタでも良いもの作れるんだと思っていただけたら幸いです。

画像2が正式に作り始めた2014年の12月08日の写真です。画像1はそのちょっと前に試しで作り始めていたものです。

翼の部分は色々アドバイスを聞き、シレーヌといえば翼が本体ほど大きくないといけないと決めて、アルミ線で形を出してガムテープを貼ってそこにまたエポキシパテを貼って・・という順にイメージを整えていきます。顔は丸々作り直してたかな?足を切って変えてますが、アドバイスを聞いて後々元に戻す形になっていきます。下の部分の千切れたデーモンは丸っきり作り直してますね。そもそもイラストを見てシレーヌ以外の部分をどう作るか、ボリュームはどう変えるか(できるだけ小さくすべきと考えていました)少し悩みました。

シレーヌを出来るだけ地面から離してできるだけ高い所に留まっているように見せたいと考えてから、ボリュームを決め、千切れたデーモンから髑髏が溢れ出しているイメージで作ると決まると全体の構成が見えてきました。画像2

塚田貴士による 制作日誌2【2014年12月15日~22日】

僕が造形する時によく使う素材はエポキシパテ(タミヤ造形パテ速硬化タイプ)、グレイスカルピーです。他にもポリパテ、プラ版、真鍮線、アルミ線などを使います。
完成画像と比べるとシレーヌの下半身が細いですね。画像3

下の千切れたデーモンの頭の芯にはアルミホイルを丸めた物にグレイスカルピーを盛ってそれにエポパテを盛って造形しています。アルミホイルは嵩増しのため。グレイスカルピー(粘土)は大まかな形を出しやすいので使ってます。胴体部分には太めの真鍮パイプが入っていてホームセンター等で売っている木の板に固定しています。

まだまだ試行錯誤を重ねてますが、ここがまた僕のヘタなところで、触っているうちに徐々に勢い(身体、腕や脚の角度などケレン味と呼ばれる部分とかとか)が無くなって大人しいモノになっていってしまうので途中で大工事することが多々あります。画像3が12月15日、画像4が12月22日です。

シレーヌ本体も下の千切れたデーモンも所々ばしーっと切って、キュッとしたり、ななめ!ななめ!ななめ!という感じにしてますね。

塚田貴士による 制作日誌3【2014年12月29日】

12月29日の画像です。画像5
顔を触ってます。顔は難しいので後回しにしちゃう癖があるんですが、サイズなどある程度自分で決めれる今回のような場合は顔から作るぐらいのほうがいい気がします。ちょっと角度が変わるだけで良くも悪くも見えてしまうだろうし。顔が上手く作れればモチベーションも上がるだろうし。

翼はまずこの二枚をカッコよくできたら勝ちと思って作っていました。先に作ってた部分を削って別で作ったエポパテの板をくっつけて作っていきます。このやり方だと、偶然出来た良いラインを上手く使えたりしたら面白いんですが、多少当てずっぽうになる部分があるのであんまりな方法かもしれません。造形ッテムズカシイデスネ・・

千切れたデーモンの中から溢れ出てくる様なイメージで骸骨を配置し始めています。何パターンか作って複製してレジンに置き換えたものを切って貼ってしていきます。
ここらでそろそろ千切れたデーモンの下の部分をどうするか決めないといけませんが、イラストに無い部分をイメージして作らないといけないので、カッコいい表現ができるかカッコいい何かが作れるかどうか少し緊張しながら作業を進めていきます。画像6

塚田貴士による 制作日誌4【2015年1月6日】

1月6日の画像です。画像7画像8
お正月と誕生日を挟みまして、メインの翼二枚が良くなりそうなラインが出たところで他の翼の塩梅も見始めてます。

千切れたデーモンをまた一ヶ所ズバッと切って角度を調整しています。身体はほぼ決まってきてますね。顔・胴・腕脚の構成、厚みや長さが大体こんな感じで良いかなと。決まった時点で周辺に配置しなきゃいけないものとか無い方が良いかなというモノを選別していってます。ここまでが早くできる人は上手い人だと思います。

イラストと見比べながらお尻辺りを ''座ってる感'' が出るように造形します。手と足はここから、大きめに作った方がカッコいいかな~とか考えながら肉付けしていきます。
ここにきて、作品としての正面はどこかをミリ単位で迷いつつ進めます・・

塚田貴士による 制作日誌5【2015年1月11日~12日】

1月11日と12日の画像です。画像9
土台となる千切れたデーモンの下の辺りを作り始めてますね。初めはエポパテで挑戦してます。

なんとなくイメージを固めてからエポパテを盛って固まるまでに造形してリューターで形を整えたりディテールを入れたりしてますが、イマイチ上手くいってませんね。ここから結構、試行錯誤していきます。小さめの髑髏が欲しいなと思って新たに作ってます。ここらで分割をやり始めてますね。画像10

塚田貴士による 制作日誌6【2015年1月14日】

1月14日の画像です。画像11
翼のディテールに取り掛かってます。

先に大まかな形を作っておいて、一部削って盛って細かく作り直すというやり方です。仕上げはリューターでやると決めていたので気楽に盛って固まるまでにディテールを入れていきます。
気に入らなければ何回でも削って盛ってやり直すんですが、どんなに頑張っても今のレベルでは上手く出来ない部分というのは出てくるものだと思っているので、反省しつつ、ある程度の所で次に進んで、でもまた見返して壊したりします;;
できない自分に絶望しそうになりますが、自分の相撲!自分の相撲!と自らを落ち着かせながら摺り足で歩を進めます。

髑髏も配置し出してます。画像12
髑髏が黄ばんでるのはカットするために熱を入れてるからです。それぞれ切って貼ってグレイスカルピーに押し付けています。下の部分がまだまだかっこ悪いですが;2月8日のワンフェスに原型展示する予定で動いているので、優先順位を考えながら展示に耐えうるくらいまで持っていけるように作業していきます。

塚田貴士による 制作日誌7【2015年1月30日~2月2日】

1月30日の画像です。画像13
ちょっと時間が空いてますが、ディテールに集中しだすと写真を撮らなくなってくるので。後半になると写真を撮ってないので作業が飛び飛びになってしまってます。
この時点でやっと全体像が見えてカッコよくなりそうな感じがしてきましたね。まだ途中ですがワンフェスに展示できるようにサフを吹き始めてます。この時点では1000番の缶サフで吹いてるんじゃないかな。画像14

塚田貴士による 制作日誌8【2015年2月22日】

2月22日の画像です。画像15
千切れたデーモンから飛び出した骨を作り直してます。下の部分はまだ悩み中。翼もまだ途中っぽいです。シレーヌの身体の肌部分や脚の羽毛はほぼ完成してる状態です。右腕の髑髏に乗ってる天使もできてそう。デーモンの下の部分のモヤモヤをスカルピーで作り始めてますね。良い判断ですね。

3月11日の画像です。画像16
腕の鱗はお気に入りです。実際の鳥の足を参考にしながら作ってます。人間の手と岩の上に停まっていそうな鳥の足を融合したようなイメージで。
まずツルツルの状態の腕を作ってからリューターで鱗を彫っていくやり方で作ってます。大変ですが楽しい作業でした。一度吹いたサーフェイサーを全て剥がすゾっという意気込みを持ってリューターでディテールを彫っていくと苦行感が増します。

塚田貴士による 制作日誌9【2015年5月18日完成】

と、いうわけで完成です。画像17

ほんとに段々写真を撮らなくなっていって、終わりの二ヶ月の間画像が全くない状態です。
ドドンと二ヶ月間をブッ飛ばしての完成ですが、前回の画像から何をやっているかというとただただ頑張ってるだけなので、前回までの記事でだいたいこんな感じでやってるんだなとわかっていただけるかなと思います。

シレーヌを作り始める少し前まで僕は五里霧中、何を作っても上手くできない、評価もされない、と仕事で造形をしていく中で段々と自信を失くしていた時期でした。ただ手を動かしているだけで楽しいという気持ちも、その頭に渦巻くモヤモヤによって心の隅に追いやられ、造形する事自体が辛くなっていきました。ほんとはそんな事なかったのかもしれないけれど、理想と現実の違いにどうしても納得できず自分を認める事ができませんでした。

この『寺田克也版 妖鳥シレーヌ』を作った事をきっかけに自分の作りたいもの・やりたかったことを再認識でき、自分の作品と呼べるものが作れるようになっていきました。

僕みたいに造形することが苦しくなってきている人がもし居たら、いつか出会えるこういう作品のためにまたゆっくりとでも作り進めてほしいなと思います。こんな僕にもできたんですから

2015年10月26日 塚田 貴士

『寺田克也版 妖鳥シレーヌ』発売決定に寄せて

この文を書いている時点ではまだシレーヌの商品開発途中なのですが、G3発足によりシレーヌのサイトもG3のホームページと統合されてメイキングが再掲されるので、それに合わせて今思うことを少し書いてみます。

メイキングを見直してまず思うのは、こんなに時間かけたっけなーってところで。ずっと「制作期間は4カ月ほど」って言ってたんで合間に何かしらやってたとは思うんですが、にしてもえらく長い間作業してますね。でもシレーヌを作ってる間は辛い記憶は全然ないので楽しかったんだろうな。
今ならこんな作り方しないなとも思いますがその時の感覚と情熱が形になったものなので、今の技術で作っても必ずしも前に作ったものより良くなるというわけではないというのが物作りの面白いところですね。
なのでこのシレーヌは今見ても良いものできたなと思います。

僕は造形師なので原型が完成した時点である種の達成感があり、商品化されずともGILLGILLの店舗にでも飾ってあればそれなりに満足だったりするのですが、作ったよと発表されればそりゃー見ている人からは(嬉しいことに)いつ発売するんだと、聞いてもらうたびに焦って早く商品化しなきゃと僕なんかは思ってしまうわけですが、(テストショットを見ながら)今こうしてハイクオリティな商品として世に出せるのはGILLGILL代表の吉川さんの理想の高さと根気強さによるものに他なりません。そして株式会社ロッコン代表の田中さんの多大なるご尽力の賜物であります。感謝。

今僕の作っているもの・置かれている状況を鑑みるとやはりこの『寺田克也版 妖鳥シレーヌ』を作った時が分岐点だったなと思います。その後もやはり悩みながら造形していますが、自分の進む道はこれでいいんだという気持ちで作っていけてます。

しかし、このシレーヌの造形がなぜこんなに注目されたのか良く分からなかったりもします(笑
純粋に好きなもの作りたいものを作ってそれが評価されるのならばこんなに嬉しいことはないのですが、いつもそうという訳にはいかないだろうし売れるものでなければいけないという思いもあります。でも、それはつまり自分は何を作ればみんなに喜んでもらえるか、上手く作れるものは何かというトコロですかね。その上で好きなもの作りたいものを考えて、悩んで、足掻きながら作っていくことが僕らしくていいのかなと思います。

2018年5月3日 塚田 貴士

開発マンTの開発日誌その1 彩色サンプル到着の巻

いかにも新規メーカーらしく、今後、開発のありのままを恥ずかし気もなく公開していこうと思います。
一発目は5月某日、待ちに待った彩色サンプルが到着しましたの巻。

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